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文献詳細

雑誌文献

生体の科学27巻4号

1976年08月発行

特集 形質発現における制御

総説

細胞間相互作用—形態形成期における細胞の接着と選別について

著者: 増子貞彦1 嶋田裕1

所属機関: 1千葉大学医学部第一解剖学教室

ページ範囲:P.276 - P.285

文献概要

 はじめに
 多細胞生物は,いうまでもなく多くの細胞の集まりからできている。しかし,この細胞の集団は細胞がただ単に集まつているというだけのものではない。同じタイプの細胞およびタイプの異なる細胞が系統的に集合および配列をして,組織ならびに器官をかたちづくり,1個の有機的で統合のとれた生物体を形成している。このように細胞が集団となるときに,細胞同志が触れあい,そこに細胞間相互作用の生ずる場が形成される。ここでみられる細胞間相互作用は多種多様である。たとえば,同タイプの細胞同志の接着とそこに生ずる生理的な連絡,同タイプおよび異タイプの細胞を識別して系統だつた細胞配列を示す場合にみられる細胞の選別,さらには発生期においてみられる誘導など,数多くの例をあげることができる。しかし,今回は形態形成に重要な役割を果たす細胞間相互作用について,すなわち細胞の接着と選別について,これに関係する各種の要素を中心に述べたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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