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実験講座
細胞のサポニン処理
著者: 大槻磐男1
所属機関: 1東京大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.326 - P.330
文献購入ページに移動細胞内部の分子の局在を明らかにするためには通常フェリチン抗体などの高分子トレーサーで分子を標識して可視化する方法が採られる。しかしながら,この際障壁となる形質膜にトレーサー透過性を賦与するため従来用いられてきた方法はいずれも非特異的であつて透過が一様にゆかぬ欠点があつた1)。
筆者らはこの問題を検討した結果,短時間のサポニン処理によつて細胞形質膜に比較的均一に高分子トレーサー透過性を与えることができることを見出した2,3)。数種の遊離細胞で得た所見では,抗原性などの生物活性もほとんど影響をうけずに保持されている。また組織化学的に固定した細胞にも作用することがわかつた。
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