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文献詳細

雑誌文献

生体の科学27巻5号

1976年10月発行

文献概要

話題

R.L.Post研究室とNa,K-ATPaseの研究

著者: 谷口和弥1

所属機関: 1北海道大学歯学部薬理学教室

ページ範囲:P.417 - P.420

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 PostとSkouの出会い
 1974年に出版された,ニューヨーク科学アカデミー紀要242巻に,Na,K-ATPaseの性質と機能という題で同アカデミーの主催で行なわれた国際シンポジウムの内容がほとんど収録されている。そのまえがきにPost博士(以下敬称略)が,Na,K-ATPaseの回想,Na,K-ATPaseの発見なる副題で,1953年ころのSkouとの出会いなどについて記しているので少し引用してみよう。
 場所はWoods Hole,1953年の夏のことである。Postは当時電気生理学に興味を引かれて,Grundfest研究室に滞在していた。一方,Skouは当時アセチルコリンエステラーゼに興味をもち,同じくNachmansohnの研究室に来ていた。ところが彼はここにあまり興味を引くことがなかつたと解り,もつぱらWoods Holeの浜と図書館で大部分の時間を過していた。当時彼は細胞膜のモデルになる酵素としてアセチルコリンエステラーゼを用いてきていたが,リポプロテインを用いた方がよいと考え始めていた。そこでリポプロテインであるATP分解酵素についての論文を読み始めていた。Post夫人がSkouを海岸でみつけ,SkouがPostとGrundfest研究室で会い,その夏の終りにモントリオールで開かれた国際生理学会に彼らは出席しお互いによく知り合うようになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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