icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学27巻6号

1976年12月発行

文献概要

特集 松果体 総説

松果体の機能形態学

著者: 松嶋少二1 加地隆1 向節子1 森沢裕子1

所属機関: 1旭川医科大学医学部解剖学教室

ページ範囲:P.438 - P.444

文献購入ページに移動
 哺乳類の松果体機能に関する研究は,近年めざましく進展したが,これまでの松果体研究では生化学的レベルでの検討が主流をなしており,形態学的領域からの追求は一歩後退していた感があつた。実際,今日よく知られている松果体機能の光による調節機構の詳細は,主として生化学的観察によつて明らかにされたものであり,この問題に対する形態学的裏付けは今日でもなお十分とはいえない。今日までの松果体機能に関する研究において,形態学的側面からの検討が比較的少なかつた理由はいろいろ考えられるが,従来の形態学的観察では,この器官の顕著な特徴である日内リズムの現象を的確に捉えることが困難であつたことも一因であろう。
 私どもは従来から松果体の機能を形態のレベルで捉える試みを続けてきたが,最近ようやく松果体における日内リズムの問題をマウス松果体のグリコゲン量や交感神経線維にみられる小胞の超微形態などを指標として把握できるようになつた。本稿では,光刺激と松果体の機能的関連性の問題を交感神経線維の小胞にみられる日内リズムの面から考察してみようと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら