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文献詳細

雑誌文献

生体の科学28巻2号

1977年04月発行

文献概要

解説

ミトコンドリア代謝の周期性

著者: 内海耕慥1 井上豊治2

所属機関: 1岡山大学医学部附属癌研究施設生化学部 2岡山県環境保健センター保健科学部

ページ範囲:P.107 - P.116

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 はじめに
 まず,生物の周期現象におけるミトコンドリア代謝の周期性の意味について考えてみよう。生物の周期現象は,長いものでは周期単位が月・年にわたるものから,短いものでは秒当り何百サイクルというものまで様々である。生命それ自体は細胞の寿命,細胞内構成要素や酵素系の代謝回転をはじめあらゆるものが輪転していて,それ自体が周期現象の一単位として存在しているとも考えることができる。しかしここで述べる生物体内での代謝調節における化学反応速度論を中心に考えたinstability,bistability,あるいはoscillationは,細胞の代謝調節機構や生物リズムの研究における解析手段として有益であろう。とくに本稿で取扱うミトコンドリア代謝のoscmationは生体内の不均系,solid systemにおける調節機構やフィードバック・メカニズムの一つのモデル系としてすぐれており,しかもその速度周期が比較的短く解析しやすいという利点がある。
 一般に化学反応論におけるkinetic responseは,つぎのような機構で分けることができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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