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文献詳細

雑誌文献

生体の科学28巻2号

1977年04月発行

解説

上丘の構造

著者: 大谷克巳1

所属機関: 1千葉大学医学部第三解剖学教室

ページ範囲:P.117 - P.124

文献概要

 はじめに
 中脳の天井は,上丘と下丘と呼ばれる2対の高まりからできている。これらのうち,上丘は視覚性,下丘は聴覚性の身体反射中枢とされてきた。上丘が視覚性身体反射中枢といわれるようになった解剖学的根拠は,これが多量の視神経線維を受け,他方,身体運動のために視蓋脊髄路を投射するということにあるらしい。また,視神経線維の他の重要な終止核である外側膝状体が,大脳皮質の視覚領と相互的な結合関係をもちながら,脳幹および脊髄に投射しないことも理由にされている。最近になって,上丘はgrasp reflex, orienting responseないしsensorimotor transformationのモデルとして,生理学的にも注目を集めるようになってきたが,他方,その構造についても再び関心が寄せられるようになってきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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