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文献詳細

雑誌文献

生体の科学28巻2号

1977年04月発行

文献概要

実験講座

アセチルコリンの生物検定法—ハマグリ心臓とfluid potentiometer

著者: 大沢一爽1

所属機関: 1東京大学医学部第二生理学教室

ページ範囲:P.125 - P.130

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 はじめに
 シナプスの化学伝達物質としてのアセチルコリン(Ach)に対する研究は,20世紀初頭から始まり,その生物検定も1926年,LoewiとNavratilが迷走神経の化学伝達物質としてAchを同定したときかち多くの報告がなされた。Ach定量の生物検定法としてDale1)が発表してから50年の歳月が経ている現在でも──種々のabstractのAch欄を総計しただけで,──毎日一編以上のAchに対する報告がなされている。薬物としてのAchに興味をもつ研究者が多いのは,神経と筋細胞の膜を興奮または抑性させる現象を惹起させるからであろう。Na,K,Caイオンと同じようにAchの動態が膜分子モデルの相関として捉えられつつあるけれども,定説はない。ここではAchの動態には触れずに,Achの微量検定の実験と現象を記してみる。
 Achの測定は物理化学的には螢光法,ガスクロマト,偏光,放射性物質などの分析方法2)に移りつつある。Achの化学的滴定の初期は塩化金3)とAch化学的比色法4)に頼っていた。この方法は生体ではAch以外にも4級アミンがあるので特異性がなく,各種コリンを選別することができず,低感度の測定法なので生物屋にとっては顧みられる機会が少なかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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