icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学28巻3号

1977年06月発行

文献概要

特集 神経回路網と脳機能 総説

感覚情報の処理機構—嗅球の神経回路網におけるニオイ情報処理機構

著者: 森憲作1

所属機関: 1群馬大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.177 - P.184

文献購入ページに移動
 はじめに
 脳の特定の感覚中枢の情報処理機能を,その部位の神経回路網のシナプス機構の詳細な研究を基礎として理解しようという試みが,多くの部位でなされてきている。本稿では,嗅覚系の第一次中継部位である嗅球におけるそのような試みの一部を紹介したいと思う。
 嗅球は古くから,それを構成している神経細胞群が比較的単純で明確な層状構造をしていることから,解剖学者たちに注目されていたが2,4),最近になって,電子顕微鏡による一連の詳細な研究がなされ(たとえばPrice and Powell13〜15)),解剖学的には,そのシナプス構造の概略が明らかになった。しかし,神経生理学的な研究は未だ端緒についたばかりであり,まだ未知の問題が山積していて,嗅球の神経回路網の機能を推測するには,今後かなりの段階を経なければならないと思われる(詳細は文献21)を参照されたい)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?