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特集 神経回路網と脳機能 総説
感覚情報の処理機構—嗅球の神経回路網におけるニオイ情報処理機構
著者: 森憲作1
所属機関: 1群馬大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.177 - P.184
文献購入ページに移動 はじめに
脳の特定の感覚中枢の情報処理機能を,その部位の神経回路網のシナプス機構の詳細な研究を基礎として理解しようという試みが,多くの部位でなされてきている。本稿では,嗅覚系の第一次中継部位である嗅球におけるそのような試みの一部を紹介したいと思う。
嗅球は古くから,それを構成している神経細胞群が比較的単純で明確な層状構造をしていることから,解剖学者たちに注目されていたが2,4),最近になって,電子顕微鏡による一連の詳細な研究がなされ(たとえばPrice and Powell13〜15)),解剖学的には,そのシナプス構造の概略が明らかになった。しかし,神経生理学的な研究は未だ端緒についたばかりであり,まだ未知の問題が山積していて,嗅球の神経回路網の機能を推測するには,今後かなりの段階を経なければならないと思われる(詳細は文献21)を参照されたい)。
脳の特定の感覚中枢の情報処理機能を,その部位の神経回路網のシナプス機構の詳細な研究を基礎として理解しようという試みが,多くの部位でなされてきている。本稿では,嗅覚系の第一次中継部位である嗅球におけるそのような試みの一部を紹介したいと思う。
嗅球は古くから,それを構成している神経細胞群が比較的単純で明確な層状構造をしていることから,解剖学者たちに注目されていたが2,4),最近になって,電子顕微鏡による一連の詳細な研究がなされ(たとえばPrice and Powell13〜15)),解剖学的には,そのシナプス構造の概略が明らかになった。しかし,神経生理学的な研究は未だ端緒についたばかりであり,まだ未知の問題が山積していて,嗅球の神経回路網の機能を推測するには,今後かなりの段階を経なければならないと思われる(詳細は文献21)を参照されたい)。
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