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実験講座
生体アミンの系統的分析法
著者: 和田博1 大和谷厚1 小笠原三郎1 渡辺建彦1
所属機関: 1大阪大学医部第二薬理学教室
ページ範囲:P.215 - P.222
文献購入ページに移動アミノ酸分析装置すなわち全アミノ酸の系統的分析法の,生命現象解明に果たした役割を考えるとき,つぎのステップとして生体アミン類の系統的分析法の開発は重要な意味をもってくる。生体の複雑な機能は,当然のことながら,特定のアミンだけでなく,活性アミン類相互のバランスの上に,微妙に調節されていると考えられる以上,少なくともカテコラミン類,セロトニン,ヒスタミンなどは,同一試料から同時に測定することが,ぜひとも必要であろう。
こういう観点から,筆者らはここ数年来アミン類の系統的分析法を検討し,螢光標式物質であるダンシルクロライド(ジメチルアミノナフタレンスルフォニルクロライド)を用いた方法については,その基本的操作法,限界,問題点などを総説として発表した1)。アミン類は,生体中には非常に微量しか存在していないこと,化学的に不安定なものが多いこと,各種アミン類の生体中存在比に大きく差があることなどの理由から,現在のところ,自動アミノ酸分析機のような形で,容易にかつ簡便に全アミンを測定できるというところまでには至っていない。ここでは,現在われわれの教室で行っている,数種のカラムクロマトグラフィーと,従来からの螢光分析法とを組み合わせた,同一試料中からのカテコラミン類(アドレナリン,ノルアドレナリン,ドーパミン),セロトニン,ヒスタミン,メチルヒスタミンの同時分析法について具体的に記載してみたい。
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