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実験講座
ガラス被覆"エルジロイ"微小電極の作り方・使い方
著者: 鈴木寿夫1 東正夫1
所属機関: 1弘前大学医学部第二生理学教室
ページ範囲:P.298 - P.301
文献購入ページに移動 近年,単一神経細胞の活動電位を記録し,その発火パターンから神経情報がどのように符号化されているかを調べ,神経細胞の属するニューロン集合(neuron population)の機能をさぐろうとする研究が盛んになってきた。ところで,この種の研究も,他の場合と同様,実験方法の技術的進歩とあいまって発展してきた。まず,動物実験の条件としては,麻酔下の急性実験から無麻酔無拘束下の慢性実験へと発展した。また,ニューロン活動を記録するための微小電極の改良もこの研究の発展に重要な役割を果たしてきた。すなわち,初期のガラス管微小電極から始まって,この種の実験で取り扱う活動電位の細胞外記録が,神経細胞を損傷することなく,より長時間,より安定にできるのに適した金属微小電極へと変わってきた。金属電極でも,その電極材料としてタングステン1)のほかに,ステンレス・スチール2),白金イリジウム3)が取り上げられた。被覆絶縁材料も各種合成樹脂1,2)からガラス管4),ソルダ・ガラス3)と変わってきた。このような進歩によって電極はより慢性実験に適し,より容易にインパルス放電を記録できるようになってきた。
一方,微小電極は脳表面からブラインドに脳内に挿入されるから,活動電位を記録した部位の確認がしばしば問題となる。そこで記録部位を同定する試みがなされてきた。
一方,微小電極は脳表面からブラインドに脳内に挿入されるから,活動電位を記録した部位の確認がしばしば問題となる。そこで記録部位を同定する試みがなされてきた。
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