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特集 青斑核 総説
ラット青斑核ニューロンの電気生理学的研究
著者: 中村彰治1
所属機関: 1大阪大学医学部高次神経研究施設神経生理学
ページ範囲:P.432 - P.438
文献購入ページに移動 本実験で用いた動物はウレタン麻酔のラットである。
①LCニューロンの上行性経路である中脳背側路を逆向性に刺激すると,LCに限定して頂点潜時5.7〜6msec,振幅1〜1.5mVの陰性の集合電位があらわれる。単一LCニューロンの放電は,集合電位に重畳して記録される。
②LCニューロンの逆向性スパイク放電においては,AスパイクとBスパイクの後にしばしば第三のスパイク成分(Cスパイク)が観察された。Cスパイクは逆向性反応だけでなく自然発火においてもみられた。
③逆向性スパイクは,ときに特徴的な長いA-B遅延を示すことがあった。同様なA-B遅延は,中脳背側路を二発刺激(刺激間隔は約10msec)したときに,試験反応のスパイクでもみられた。長いA-B遅延の生じる原因として,LCニューロンの反回性抑制と促通の存在が推測される。LCニューロンの軸索の伝導速度は,0.3〜1.4m/秒で平均0.69m/秒である。
④LCニューロンは,大脳皮質前頭野,大脳皮質視覚野,海馬,小脳のどれか一つ,あるいは,これらのうち二つ以上から逆向性反応を示した。LCニューロンの約70%が大脳皮質前頭野へ投射していることが判明した。1個のニューロンで,大脳皮質,海馬,小脳皮質の三つの皮質へ同時に投射しているものもある。
⑤LCニューロンには,体性感覚,視覚,聴覚などの末梢感覚神経から入力の収束があることがわかった。ニューロンの投射部位からも稀に入力を受ける。
①LCニューロンの上行性経路である中脳背側路を逆向性に刺激すると,LCに限定して頂点潜時5.7〜6msec,振幅1〜1.5mVの陰性の集合電位があらわれる。単一LCニューロンの放電は,集合電位に重畳して記録される。
②LCニューロンの逆向性スパイク放電においては,AスパイクとBスパイクの後にしばしば第三のスパイク成分(Cスパイク)が観察された。Cスパイクは逆向性反応だけでなく自然発火においてもみられた。
③逆向性スパイクは,ときに特徴的な長いA-B遅延を示すことがあった。同様なA-B遅延は,中脳背側路を二発刺激(刺激間隔は約10msec)したときに,試験反応のスパイクでもみられた。長いA-B遅延の生じる原因として,LCニューロンの反回性抑制と促通の存在が推測される。LCニューロンの軸索の伝導速度は,0.3〜1.4m/秒で平均0.69m/秒である。
④LCニューロンは,大脳皮質前頭野,大脳皮質視覚野,海馬,小脳のどれか一つ,あるいは,これらのうち二つ以上から逆向性反応を示した。LCニューロンの約70%が大脳皮質前頭野へ投射していることが判明した。1個のニューロンで,大脳皮質,海馬,小脳皮質の三つの皮質へ同時に投射しているものもある。
⑤LCニューロンには,体性感覚,視覚,聴覚などの末梢感覚神経から入力の収束があることがわかった。ニューロンの投射部位からも稀に入力を受ける。
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