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文献詳細

雑誌文献

生体の科学28巻6号

1977年12月発行

文献概要

解説

膜興奮とタンパク質

著者: 吉岡亨1

所属機関: 1横浜市立大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.447 - P.457

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 はじめに
 まず題名についてお断わりしておきたい。ここでいうところのタンパク質とは,興奮性膜の内に存在すると思われるチャネルタンパクとか,あるいは,おそらくタンパク分子であろうと想像されているgating particlcなどを指すのではなくして,興奮性膜の内側,または外側にあって,興奮現象に何らかの係り合いをもっていると思われているタンパク質のことである。このようなタンパク質の研究を行う際にもイカの巨大神経はやはり最も適当で得難い材料であることは間違いない。そこでこの小文では,イカの巨大神経を用いて行われているタンパク質研究の現況を御紹介してみたい。
 内容の大半はごく最近に得られたものばかりなので,もしかしたらこの数年間に生き残れるようなしっかりしたデータは一つもないかもしれない。あるいは内容的に偏っているかもしれない。それにも拘わらず,あえてこの一文を草するに到ったのは,もはやわれわれ生理学関係者だけでは興奮現象の理解が限界にきていることを他の分野の方々に知っていただき,協力を仰ぎたいからに他ならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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