文献詳細
文献概要
特集 膜脂質の再検討 総説
生体膜の超微形態と脂質
著者: 石川春律1
所属機関: 1東京大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.2 - P.11
文献購入ページに移動 生体膜は細胞を構成するすべての膜をいう。周囲環境から細胞を境する膜の存在は形質膜として古くから想定されていたが,その実体は電子顕微鏡の導入によってはじめて明らかにされた。そのうえ,同様の膜構造は細胞内部にも見出され,糸粒体,小胞体,核膜,ゴルジ装置などのいろいろな細胞小器官が膜からできていることが示された。したがって,膜を適切に配置すると細胞の基本像ができ上るくらいである。
生体膜は細胞が示す多くの生命現象に決定的な役割を果している。電子顕微鏡により実体が明らかにされて以来,生体膜への関心は急速に高まり,この分野における最近の進歩にはめざましいものがある。今日,生体膜の超微形態もそれを構成する分子を考慮せずして論ぜられないところにきている。
生体膜は細胞が示す多くの生命現象に決定的な役割を果している。電子顕微鏡により実体が明らかにされて以来,生体膜への関心は急速に高まり,この分野における最近の進歩にはめざましいものがある。今日,生体膜の超微形態もそれを構成する分子を考慮せずして論ぜられないところにきている。
掲載誌情報