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文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻1号

1978年02月発行

文献概要

特集 膜脂質の再検討 総説

膜脂質に作用する物質

著者: 野沢義則1

所属機関: 1岐阜大学医学部生化学教室

ページ範囲:P.26 - P.37

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 はじめに
 生体膜脂質が,諸種の膜機能の発現に際して重要な役割を果していることはよく知られており,"構成"脂質に対して"機能"脂質とも呼ばれるべきものの存在が考えられている。したがって膜脂質の組成あるいは物理化学的な存在様態の変化が膜の構造および機能に影響をもたらすことにもなる。そこで,本稿では膜脂質に作用する物質の作用機構と誘起される膜現象の変動について述べるが,この類の物質にも脂質に直接に作用するものと間接的な作用を呈するものとがあり,しかもその種類も,きわめて多いために限られた紙数ではすべてを網羅することは不可能に近い。そこで,ここでは膜脂質との相互作用がかなり明確にされている物質に限定して,その主なもの,たとえば麻酔剤,環状抗生物質,毒素,金属イオンをとりあげ,これらの物質の膜脂質への作用に対する物理化学的根拠を示し,あわせてそれらの作用に随伴して生じる膜機能の変化を概説的に述べることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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