文献詳細
特集 腎機能
文献概要
腎臓の機能の研究を年代をさかのぼって展望すると,方法論の面でかなり明瞭な一つの流れを感ずることができる。腎臓は微細な管構造をなすネフロンが無数に複雑にからまり合ってできた臓器であるので,初期の段階から腎臓に固有な研究法が用いられてきている。まず1940年代までの研究はクリアランス法が主で,その段階では,腎内の細かな過程は別として,入口と出口の関係から,器官全体として血中の種々の物質をどのように処理しているかを知るのに主眼が置かれていた。すなわちこの時期の研究は器官機能の全体像を把握するものであったと見ることができる。その分野の研究はH.W.Smith によりThe Kidney:Structure and Function inHealth and Disease(Oxford Univ.Press, 1951)に集大成されているが,今日もなお貴重な基礎資料として価値を保っている。
ついで発展した研究は,腎内過程を単一ネフロンについて詳細に観察するものであり,それに用いられたのは微小穿刺micropuncture法である。腎臓は単位構造(ネフロン)の集合体であるので,単一ネフロン内の過程を詳細に見ることによって腎内過程をより具体的に理解することができる。
ついで発展した研究は,腎内過程を単一ネフロンについて詳細に観察するものであり,それに用いられたのは微小穿刺micropuncture法である。腎臓は単位構造(ネフロン)の集合体であるので,単一ネフロン内の過程を詳細に見ることによって腎内過程をより具体的に理解することができる。
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