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文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻2号

1978年04月発行

文献概要

特集 腎機能 総説

尿細管のNa-K-ポンプ

著者: 田島陽太郎1

所属機関: 1埼玉医科大学生化学教室

ページ範囲:P.103 - P.113

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 はじめに
 腎機能のうち,尿生成能,とくにNa, Kの再吸収について述べる。NaとKに注目したのは,成人1日当りのNa再吸収量が約600gにも及ぶことと,細胞内外のK濃度差が細胞膜電位に著しい影響を与えること,それから,Naの能動輸送はKと共役して行われることなどの理由による。
 腎の糸球体瀘液と血漿の限外瀘液は同一であるから,糸球体での瀘過は単純な限外瀘過と考えてよい。その瀘過膜は,細胞間隙—基底膜に存在するはずだが,実体については現在不明であり,この点に積極的に迫る生化学的手段も乏しいので,当分の間は基底膜や,細胞表面の化学構造の分析など,基礎的研究成果の蓄積を待つほかない。免疫学的手段による糸球体の研究が活発なので,この分野からなんらかの手がかりが得られるかも知れない。糸球体については腎炎の病理,人工透析術など,臨床医学と密接に関係する研究課題だが省略する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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