文献詳細
特集 腎機能
総説
文献概要
はじめに
尿細管は異った機能をもつ,いくつかのセグメントよりなることは周知のことである。従来この機能単位としては,①近位尿細管,②Henleのループ,③遠位尿細管,④集合尿細管の四つ分けられると考えられていた。これらのネフロン各部位の機能的特性は,主としてマイクロパンクチャー法によって明らかにされてきた。しかしながら,マイクロパンクチャー法には腎表面または露出した乳頭先端部の尿細管のみしか穿刺できないこと,穿刺した尿細管の形態学的均一性を確認できないなどの技術的限界があった。Burgら1)により開発された単離尿細管灌流法は,この欠点を克服して形態的特徴を確認した尿細管各部位の機能を明らかにすることを可能にした。さらに,単離した尿細管の生化学的特性も次第に明らかにされつつある2〜8)。
このような方法を用いた一連の研究から,ネフロンの機能的分化は,従来考えられていた以上に複雑なものであることが明らかとなりつつある9〜11)。ネフロンの機能的分化は2種類に大別される9)。第1は同一ネフロン内の機能分化(intranephron heterogeneity)であり,第2は異ったネフロン(表層supcrficial,SFと深層juxtramedullary,JM)間の機能分化(internephronheterogeneity)である。
尿細管は異った機能をもつ,いくつかのセグメントよりなることは周知のことである。従来この機能単位としては,①近位尿細管,②Henleのループ,③遠位尿細管,④集合尿細管の四つ分けられると考えられていた。これらのネフロン各部位の機能的特性は,主としてマイクロパンクチャー法によって明らかにされてきた。しかしながら,マイクロパンクチャー法には腎表面または露出した乳頭先端部の尿細管のみしか穿刺できないこと,穿刺した尿細管の形態学的均一性を確認できないなどの技術的限界があった。Burgら1)により開発された単離尿細管灌流法は,この欠点を克服して形態的特徴を確認した尿細管各部位の機能を明らかにすることを可能にした。さらに,単離した尿細管の生化学的特性も次第に明らかにされつつある2〜8)。
このような方法を用いた一連の研究から,ネフロンの機能的分化は,従来考えられていた以上に複雑なものであることが明らかとなりつつある9〜11)。ネフロンの機能的分化は2種類に大別される9)。第1は同一ネフロン内の機能分化(intranephron heterogeneity)であり,第2は異ったネフロン(表層supcrficial,SFと深層juxtramedullary,JM)間の機能分化(internephronheterogeneity)である。
掲載誌情報