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文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻2号

1978年04月発行

文献概要

解説

鳥類のてんかん

著者: 大川隆徳1 高木健太郎2

所属機関: 1岐阜大学医学部第一生理学教室 2名古屋市立大学

ページ範囲:P.126 - P.133

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 はじめに
 中枢神経系の障害を主徴とする先天性狂気鶏(congenital loco chicks)は,すでに半世紀前から知られていたが1,2),これらのニワトリが脳波学的に研究されたのはつい最近である3)。1969年,常染色体に素因するてんかん様発作ニワトリが発見され4,5),これらの突然変異鶏は閃光刺激により異常脳波を伴うけいれん発作が誘発される6,7)。一方,鳥類の脳波に対する痙攣薬の影響が判然としなかったため,鳥類のてんかんの存在が疑問視され,とくに,比較動物てんかんの権威者であるServít(1959,1972)8, 9)が烏類のてんかんの項10)を削除しているためか,あたかも鳥類にはてんかんがないという印象を一般に与えた。なかでも,ニワトリにストリキニンを全身性に投与したSpoonerら(1966)の報告11)では,異常脳波のスパイクが誘発されない主因として,終脳が解剖学的に哺乳類の大脳皮質と全く異なるからであるとの見解を述べている。また,他に0.85mg/kg最のストリキニンに対して,幼若鶏では痙攣を呈するが,成育鶏では全くこの反応を示さないという報告もあった12)。これに反し,その後,大川(1973,1974)13, 14)はストリキニンを全身性に投与したニワトリの終脳脳波上にスパイクの発火を認め,さらに,0.85mg/kgのストリキニンを静注して,成育鶏でも痙攣発作を誘発した15)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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