icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻2号

1978年04月発行

文献概要

実験講座

膜電位に関連した蛍光・吸光変化の測定

著者: 藁科彬1

所属機関: 1金沢医科大学歯学研究所口腔生理学教室

ページ範囲:P.152 - P.158

文献購入ページに移動
 はじめに
 興奮性生体膜の興奮は現象論的には電気的な物理量による記述が最も適している。しかし問題が興奮を可能にする膜の分子論的構造と機能という面に立ち至った今日,従来の電気生理学的手法に加え新たな測定手段の導入が必要視されてきている。色素分子をprobeとして生体膜の興奮現象を研究しようという試みも光散乱・複屈折など他の光学的測定と同様このような目的で始められた実験である。
 TasakiおよびCohenを中心とする両研究グループは独自の努力により,興奮に伴う螢光発光強度の微小変化1)(螢光response)と吸収強度の微小変化2,3)(吸収response)が実際に測定可能であることを示した。その後,より大きなresponseを与える色素が次々と発見されるに及び,所期の目的と共に,これらのresponseを従来の電極法を補う膜電位測定の手段として使用するという試みも活発化して注目されるに至っている。本稿では著者がTasakiらのグループの一員として研究に参加した際の経験を中心に,これらのresponseの測定に関連した事項を述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら