文献詳細
実験講座
文献概要
はじめに
興奮性生体膜の興奮は現象論的には電気的な物理量による記述が最も適している。しかし問題が興奮を可能にする膜の分子論的構造と機能という面に立ち至った今日,従来の電気生理学的手法に加え新たな測定手段の導入が必要視されてきている。色素分子をprobeとして生体膜の興奮現象を研究しようという試みも光散乱・複屈折など他の光学的測定と同様このような目的で始められた実験である。
TasakiおよびCohenを中心とする両研究グループは独自の努力により,興奮に伴う螢光発光強度の微小変化1)(螢光response)と吸収強度の微小変化2,3)(吸収response)が実際に測定可能であることを示した。その後,より大きなresponseを与える色素が次々と発見されるに及び,所期の目的と共に,これらのresponseを従来の電極法を補う膜電位測定の手段として使用するという試みも活発化して注目されるに至っている。本稿では著者がTasakiらのグループの一員として研究に参加した際の経験を中心に,これらのresponseの測定に関連した事項を述べてみたい。
興奮性生体膜の興奮は現象論的には電気的な物理量による記述が最も適している。しかし問題が興奮を可能にする膜の分子論的構造と機能という面に立ち至った今日,従来の電気生理学的手法に加え新たな測定手段の導入が必要視されてきている。色素分子をprobeとして生体膜の興奮現象を研究しようという試みも光散乱・複屈折など他の光学的測定と同様このような目的で始められた実験である。
TasakiおよびCohenを中心とする両研究グループは独自の努力により,興奮に伴う螢光発光強度の微小変化1)(螢光response)と吸収強度の微小変化2,3)(吸収response)が実際に測定可能であることを示した。その後,より大きなresponseを与える色素が次々と発見されるに及び,所期の目的と共に,これらのresponseを従来の電極法を補う膜電位測定の手段として使用するという試みも活発化して注目されるに至っている。本稿では著者がTasakiらのグループの一員として研究に参加した際の経験を中心に,これらのresponseの測定に関連した事項を述べてみたい。
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