文献詳細
文献概要
実験講座
定量的脳局所代謝測定法〔14C〕deoxyglucose法—その実験手技について
著者: 桜田修1
所属機関: 1順天堂大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.217 - P.221
文献購入ページに移動 脳は種々異った機能を営む数多くのstructureの集合体であり,そのheterogenuityは,中枢神経系の研究において,ときに大きな障害となることがある。脳機能は,脳循環代謝と密接な関連があることから,脳機能を脳循環代謝の面からとらえる努力が数多くなされてきた。1945年Ketyらによって発表された。N2Oをトレーサーとする全脳平均循環代謝測定法1)では,このheterogenous organの微妙な局所変化を検索するうえにおのずから限界がある。小さなstructureの変化は,全脳の循環代謝に平均されて,局所変化をとらえることはできない。そこで,脳循環代謝を局所レベルでとらえる方法が望まれてきたのである。
1955年Landauらにより発表された〔131I〕trifluoroiodomethaneをトレーサーとした,オートラジオグラムによる脳局所血流測定法2)は,技術的な問題は別にしても,脳局所レベルでの血流の変化を一度に視覚化できる画期的な方法であった。このオートラジオグラムによる脳局所血流測定法は,〔14C〕iodoantipyrine3)をトレーサーとして使用することにより,現在一応目標を達したと見てよい。オートラジオグラムによれば,全脳の局所変化が視覚化され非常に便利である。ついでSokoloffらはさらにオートラジオグラムを利用した脳局所エネルギー代謝の測定法の開発を志した。
1955年Landauらにより発表された〔131I〕trifluoroiodomethaneをトレーサーとした,オートラジオグラムによる脳局所血流測定法2)は,技術的な問題は別にしても,脳局所レベルでの血流の変化を一度に視覚化できる画期的な方法であった。このオートラジオグラムによる脳局所血流測定法は,〔14C〕iodoantipyrine3)をトレーサーとして使用することにより,現在一応目標を達したと見てよい。オートラジオグラムによれば,全脳の局所変化が視覚化され非常に便利である。ついでSokoloffらはさらにオートラジオグラムを利用した脳局所エネルギー代謝の測定法の開発を志した。
掲載誌情報