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文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻4号

1978年08月発行

実験講座

細胞融合を利用した細胞内注入法

著者: 山泉克1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所動物ウイルス部門

ページ範囲:P.303 - P.308

文献概要

 はじめに
 細胞内で営まれる複雑な生命活動には,多くの生体分子が関与している。これらの機能を解析するために,分離精製された物質を直接細胞内へ注入してみようという考えのもとにそのための新しい技術が最近いくつか開発されてきた。話を動物細胞,とくに培養系へ移された動物細胞における細胞内注入法に限定すると,それらの方法はつぎの三つに大別される。
 ①顕微鏡下でマイクロキャピラリーを用いて直接注入する1)
 ②細胞にある種の処理(たとえばウイルス感染)をすると細胞膜の透過性が高まることを利用して,培地に溶解した状態の外来性物質(exogenous substance)を細胞内へ取り込ませる2)
 ③一旦その物質を袋(vesicle)の中へパッキングして,しかる後その袋を細胞膜と融合させることによりその物質を細胞質中へ導入する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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