icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻4号

1978年08月発行

文献概要

話題

米国のグラントシステムについて(その3)—NIHのグラントの決定は如何になされるか

著者: 長友孝文1

所属機関: 1新潟薬科大学薬理学教室

ページ範囲:P.323 - P.328

文献購入ページに移動
 先の報告1)において,米国の大学の研究室におけるグラントシステムの役割について述べました。すなわち,米国における大学の研究費は,国公私立大学を問わず,グラントから獲得しなければならないこと,また研究の分野すべてにわたってグラントを申請するために大変な努力を要することを述べました。グラントの獲得が厳しいだけに,米国のすべての研究者は,応募したグラントがいかにして評価がなされ,そしていかにしたらグラントを獲得することができるのかという点に最大の関心を払っています。また一方,National Institute of Health(NIH)のグラントに関する職員も,公明正大にグラントの評価がなされた事実を証明するために,グラントの応募の方法や,評価の判定方法をある学会で説明会を開催したり,あるいは,論文2〜7)にて発表したりする努力が払われています。グラントがとれない場合,大学の研究者は自分の研究を発展させていくことに障害を生ずるだけではなく,最終的に大学の自分の地位にまで影響を与えることを考えあわせると,グラントの獲得に要する努力は熾烈,あるいは苛酷という言葉をもって表現しても十分に言い尽せないと思われます。
 グラントの種類は先に報告1)したように数多くありますが,UCLAの獲得したグラントの約60%はNIHから獲得されているために,NIHから獲得されるグラントのみについて述べてみたいと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?