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特集 下垂体:前葉
特集"下垂体:前葉"によせて
著者: 岡本良平1
所属機関: 1東京医科歯科大学難治疾患研究所,内分泌異常部門
ページ範囲:P.332 - P.332
文献購入ページに移動 ここ10年来,前葉ホルモンの分泌をregulateするTRH,LH-RH,ソマトスタチンがGuilleminおよびSchallyらによって視床下部から単離,構造が決定されるに従って,neurotransmitterに関する研究がひときわ盛んとなってきた。現在では下垂体をとび越え,その上位に位置する視床下部の下垂体前葉支配を,neurotransmitterの作用との関係の面から明らかにしようとする試みが多くみられている。neurotransmitterに関するめざましい研究の発展については,本誌前号の"中枢のペプチド"特集をみても明らかであろう。このような研究の発展はさまざまな分野における研究方法の飛躍的な進歩によって可能となったものともいえる。すなわちmedical scienceに限らず,science全般に及ぶ進歩であって,このために前葉およびそのホルモンに関する研究もまた一段と発展してきている。前葉性タンパクホルモン—ACTH,FSH,LH,GH,PRL,TSH—の分離,精製については1940年代にLi,Sayers,Wilhelmiらの報告がすでにみられるが,現在ではすべてアミノ酸構造が明らかにされ,この6種類のほか,MSH,エンドルフィン,LPHなども前葉中に見出されている。
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