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文献概要
特集 下垂体:前葉 総説
下垂体前葉の微細構造の動態
著者: 黒住一昌1
所属機関: 1群馬大学内分泌研究所形態部
ページ範囲:P.333 - P.348
文献購入ページに移動 下垂体前葉ホルモンはタンパク質あるいはそれに近いポリペプチドである。したがって下垂体前葉のホルモン産生細胞は,タンパク分泌腺の特徴を有する。細胞学,組織学の分野に電子顕微鏡が新兵器として登場した初期の頃から,下垂体前葉が膵臓外分泌細胞とともに,タンパク分泌の機構解明のためにしばしば研究材料として使用されたのは,このゆえである1)。
しかし周知のように,下葉体前葉から分泌されるホルモンは1〜2種にとどまらない。この点は前葉の形態学的研究を複雑難解にさせる,一つの有力な原因である。現在よく知られている前葉ホルモンは,表1に列挙するように少なくとも6種の異ったものがある。これらの各ホルモンがそれぞれ別のタイプの前葉細胞から生産されるのか,あるいは同一細胞が2種あるいはそれ以上のホルモンを産生する可能性が認められるのか,さらにまた同一ホルモンが2種以上の形態学的に異った細胞で作られる可能性はどうであろうか,などの問題はまだ十分には解決されていない重大問題である。
しかし周知のように,下葉体前葉から分泌されるホルモンは1〜2種にとどまらない。この点は前葉の形態学的研究を複雑難解にさせる,一つの有力な原因である。現在よく知られている前葉ホルモンは,表1に列挙するように少なくとも6種の異ったものがある。これらの各ホルモンがそれぞれ別のタイプの前葉細胞から生産されるのか,あるいは同一細胞が2種あるいはそれ以上のホルモンを産生する可能性が認められるのか,さらにまた同一ホルモンが2種以上の形態学的に異った細胞で作られる可能性はどうであろうか,などの問題はまだ十分には解決されていない重大問題である。
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