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文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻5号

1978年10月発行

文献概要

特集 下垂体:前葉 総説

下垂体前葉ホルモンの生化学—最近の研究動向から

著者: 宇井信生1 與良隆雄12

所属機関: 1群馬大学内分泌研究所物理化学部 2現在:埼玉医科大学生化学教室

ページ範囲:P.364 - P.372

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 はじめに
 内分泌学の教科書を開いて下垂体前葉ホルモンの項を調べると,普通つぎの6種類のホルモンが順不同であげられている。
 副腎皮質刺激ホルモン(corticotropin,ACTH)
 成長ホルモン(somatotropin)
 プロラクチン(prolactin)
 甲状腺刺激ホルモン(thyrotropin,TSH)
 黄体形成ホルモン(lutropin,LH)
 卵胞刺激ホルモン(follitropin,FSH)
 LHとFSHはともに性腺に作用するのでゴナドトロピンとしてまとめて記されていることが多いが,その他の記載順序は著者あるいは編者の好みが優先しているようにみえる。他方これら6種類の他に,従来下垂体中葉ホルモンとされるのが普通であった色素胞刺激ホルモン(melanotropin,MSH)も,化学構造上ACTHと共通の部分をもつばかりでなく,前葉にも存在することが明らかになった。またLiらによって見出され,弱いながらく,脂肪動員作用をもつホルモンといわれるリポトロピン(lipotropin,LPH)はどう取扱ってよいのであろうか。このように下垂体前葉ホルモンとは何かという問いにすっきりとした答が出せないのが数年前までの状況であったといえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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