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交感神経節内のsmall intensely fluorescent(SIF)cellとカテコールアミン
著者: 小島秀樹1 纐纈教三2
所属機関: 1久留米大学医学部脳疾患研究所 2久留米大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.373 - P.383
文献購入ページに移動生体活性アミン(biogenic amines)同定のための特異性の高い組織化学的研究方法(組織螢光法)がFalck-Hillarpら33)によって開発されてまもなく,Eränkö & Härkönen30)は本法をラットの上頸交感神経節(SCG)内のアミンの細胞局在の研究に応用した。その結果,彼らは節細胞のそれとは明らかに異って強く明るい黄色の特異螢光を発する小型の細胞を発見し,これを"smallintensely fluorescent cell(SIF cell)"として最初に記載した。現在ではSIF cellは脊椎動物の種々の交感神経節に普遍的に存在していることが知られている25,28)。
一方,Eccles & Libet16)はウサギのSCGを用いた電気生理学的研究の結果から時間経過の遅い抑制性シナプス後電位(slow IPSP)の発生機序を説明するためにはカテコールアミン(CA)を含んだ介在ニューロン(chromaffin cell)が存在し,そこからCAが放出されることが必要であると結論していたが,Williams94)は電子顕微鏡学的に,ラットのSCG内の少なくとも一部のsmall,granule-containing cell(GC cellと略す。
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