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文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻5号

1978年10月発行

文献概要

講義

酸素と生命

著者: 藤田道也2

所属機関: 1 2浜松医科大学生化学第二講座

ページ範囲:P.395 - P.403

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 医学部や生物物理学教室の知己の皆さまにお話しすることができること,とりわけ旧知の江橋教授,江上教授,島薗教授,さらにまた尾形教授のように若い世代の協同研究者や過去20年の間にJohnson Foundationで一緒に仕事をした多くの日本の方々にお会いできたことを大変な特権と考えます。私達は美しい友情,熱心な協力,相互扶助に恵まれたといえます。
 このように,各方面の専門家である皆さまにすべてのレベルでお話をするということは大変難しいことでして,ですから本日は歴史的・文化的な面と基礎科学的な面と臨床科学的な面の三つに分けてお話ししたいと思います。もちろん,この三つを同等に扱うわけにはまいりません。たぶん基礎科学は歴史と医学の間で圧しつぶされそうになるでしょう。だいたいそうなるように相場は決まっています。まず,酸素と生命の間にあんなふうな深い関係があり,真核細胞の進化と酸素の間に密接な関係があるのはどうしてか・なぜかということを考察し,つぎに,われわれのからだの組織,中でも脳と心臓が酸素欠乏にどれほど敏感か(それは脳出血や心筋梗塞という病気があることでわかるわけですが)についてお話しするつもりです。事実,酸素欠乏がふつう死の直接原因であるといっていいでしょう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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