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文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻5号

1978年10月発行

文献概要

実験講座

Two-dimensional gel electrophoresisとその免疫学における応用

著者: 早川京子1

所属機関: 1東京大学医学部血清学教室

ページ範囲:P.404 - P.409

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 はじめに
 1960年代の後半に,抗体産生が,骨髄由来リンパ球(B細胞)と,胸腺由来リンパ球(T細胞)との細胞間相互作用によって行われることが明らかにされて以来1〜3),今日に至るまで,免疫反応に関与する組胞としてさまざまの機能的特異性をもつ細胞が報告され,その数は急速に増加している。そこで,この複雑化した今日の免疫学を解明し,細胞間相互作用をリアルに解析するためにも,細胞表面レセプター(抗原)の化学的追跡と,そのための有用な手段の提供が痛切に要望されているのが現状である。なかでも,近年,遺伝的支配を受けた免疫応答が発見されたことから4,5),遺伝学的見地から免疫反応を考察し,さらには遺伝子表現としての細胞表面抗原を,免疫化学的に解析することが,きわめて重要な意義をもつものとなった。
 マウスにおいては,遺伝的支配をうけた免疫応答と関連する細胞表面抗原として,主要組織適合性抗原(H-2抗原,I領域関連抗原(I-region associated antigen:Ia抗原)がはじめに血清学的試験,細胞障害試験(cytotoxic test)によって同定された6,7)。これらの抗原が細胞表面上にあることは,上記の方法のほか,螢光抗体法によっても証明されており8),生細胞に対してlactoperoxidaseを用いた125Iラベルを行うことによっても直接に証明される(external labelling)9,10)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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