文献詳細
特集 最近の神経科学から
講義
ネコの前肢を制御する脊髄固有運動中枢における統合
著者: 渋木克栄2
所属機関: 1Department of Physiology, University of Göteborg 2東京大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.445 - P.458
文献概要
運動ニューロンに対する脊髄固有の制御は,最初にLloyd21)により研究された。彼は延髄から脊髄への斉射をいろいろな分節の高さで記録し,上部腰髄ニューロンへの単シナプス性結合を示した。Lloydは,脊髄内で中継される斉射と運動ニューロンの発火とを比較し,短突起の脊髄固有ニューロンを介する延髄から運動ニューロンへの二シナプス性経路の存在を想定した。彼はまた,前もって運動皮質や後肢からの一次求心線維を刺激しておくと,脊髄固有ニューロンへの斉射の伝達が促通されることを示した。腰髄短突起脊髄固有ニューロンの機能は,Vasilenkoら32,33)やKazhonov and Shapovalov16,17)によってさらに研究されている。
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