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文献詳細

雑誌文献

生体の科学29巻6号

1978年12月発行

文献概要

解説

コラーゲンの新しい架橋物質

著者: 藤本大三郎1

所属機関: 1浜松医科大学化学教室

ページ範囲:P.469 - P.474

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 Ⅰ.コラーゲンの架橋
 コラーゲンは動物の結合組織の主成分の線維性タンパク質で,動物の体や臓器を支え,形状を保つ役割をはたしている。ヒトについていえば,コラーゲンは真皮,腱,軟骨などの主成分であり,骨や歯の有機成分の主体である。その他の臓器や組織でも,細胞と細胞の間のすきまにコラーゲンがつまっている。ヒトの全ダンパク質の20〜30%はコラーゲンであるといわれている。
 コラーゲンの構造を模式的に示したのが図1である。コラーゲンは生体の中で約700Åの周期構造をもつ線維を形成していることはよく知られているが,この周期構造は,長さ約3,000Åの棒状の分子が,およそ1/4ずつずれながら規則正しく会合することによって生ずると理解されている。コラーゲンの分子は分子量約10万のポリペプチド鎖3本が,3本らせんを形成してでき上っている。ただし分子の末端には,3本らせんを形成していない,非ヘリックス部分が存在する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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