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文献詳細

雑誌文献

生体の科学3巻1号

1951年08月発行

文献概要

論述

ビタミンB2の化學的定量について(Ⅱ)—ビタミンB2各型の分劃定量法

著者: 八木國夫1

所属機関: 1名古屋大學醫學部生化學教室

ページ範囲:P.17 - P.24

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 1.はしがき
 既に本誌上においてビタミンB2以下B2と略)總量の測定法,特にルミフラビン螢光法の簡易な實施法について述べた。その方式によれば検體に含まれる微量のB2を比較的簡易に且つ正確に測定する事が出來るが,B2のエステル型であるFlavin mononucleotide(以下FMNと略)及びFlavin adenine dinucleotide(以下FADと略)も遊離型B2と同樣ルミフラビンを生ずるので得られた値はB2の總量を示すものにすぎない。生體に於て酵素學的意義をもつのはFMN及びFADであつて,FMNは舊黄色酵素などの,FADはD-アミノ酸酸化酵素,キサンチン酸化酵素,ディアホラーゼなどの重要な酸化酵素の補缺分子簇として知られているが,一方遊離型B2もそれらの前階級としてのみならず光化學反應に意義のあるものとして追求されている。從つて生化學的研究においてこれら3者の量を分劃して同時に測定することが屡々必要となる。
 1934年Euler, Adler1)は検體を0℃においてコロヂウム膜にて透折すると遊離型B2は透折され内液に蛋白質と結合したB2が残り遊離結合両型を定量出來ると述べ,魚類の網膜B2が全く遊離型のみであると報告した。その後Emmerie2)は遊離型B2がベンチルアルコールに溶解するのにエステル型は不溶であるから両者を分劃定量しうると報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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