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文献詳細

雑誌文献

生体の科学3巻2号

1951年10月発行

文献概要

論述

呼吸中樞の活動機序について

著者: 高木健太郞1

所属機関: 1新潟大學醫學部生理學教室

ページ範囲:P.52 - P.58

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 まえがき
 呼吸が呼息と吸息とが交互にくりかえされることによつて行われていることは周知の事實である。この交互性,或は交代性(periodicity)が維持される機序に關する假説を次の3通に別けることが出來る。その第一は末梢説とでも名付くべきもので,中樞自體には交代性はなくて,末梢からの週期的變動によつて中樞が變調されるという説たとえば呼吸運動に伴う血液ガス濃度の變動がある位相のずれを以て中樞に作用する(Winterstein),或は呼吸運動に關與する筋,又は肺からの求心性衝撃を交代性の原因とする説である。この説は遊離した金魚の腦幹から呼吸のリズムに一致した働作流が得られるというAdrianの實驗2),又Heymans8)の遊離頭部灌流實驗から,完全に否定されねばならなくなつた。第二に呼吸中樞それ自身に交代性ありとするもので,ちようどそれは心臓に於ける靜脈結節を連想させる。即ち腦幹のある特定の部位,たとえば閂(obex),(Pitts,Woldring20)),或は聽條(Striae acousticae)の部分(福原12)),の網樣組織(formatio reticularis)から週期性の衝撃群が發射されるとするものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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