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文献詳細

雑誌文献

生体の科学3巻4号

1952年02月発行

文献概要

報告

豚精子の色素還元能力に關する觀察

著者: 宮薗幸男1 關根隆光2 吉川春壽2

所属機関: 1農業技術研究所畜産學部 2東京大學醫學部生化學教室

ページ範囲:P.177 - P.178

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 牛,羊の精子が酸素の存在しない場合にも葡萄糖,果糖,マンノーゼを加えれば解糖作用によるエネルギーを利用して運動をつづけるが,之等糖のない場合には無酸素條件では運動を持續しない。しかるに酸素の存在下には糖が存在せずとも,内在物質を呼吸によつて酸化しつっ運動を持續し得る(1)。豚の精子においてもわれわれは同樣の事實をみとめたが,豚精液は糖(果糖)の濃度が稀薄なる故か,そのままでも無酸素條件にすると運動を停止する(2)。糖を之に添加すれば運動を開始するが,有酸素條件下には糖以外の物質でもそれを加えると酸化されて運動を持續するものもあることを見た。われわれはいかなる物質が精子によつて酸化されるかを知る一つの方法として豚精子の色素還元能力を測定し,之と運動能力との關連を觀察した故,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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