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実験講座
微小電極の冷却装置付きプラー
著者: 田崎京二1 鈴木均1
所属機関: 1東北大学医学部第二生理学教室
ページ範囲:P.40 - P.42
文献購入ページに移動 細胞内微小電極法を小型の細胞に適用するには,電極の先端をより細くしなければならない。先端の細い電極を作るには,ガラス管に加える熱と張力を大きくすることである,と考えられている。すると,当然のことながら電極の引延ばされた部分(先端部と呼ぶことにする)が長くなる。こうして,研究対象が小さい細胞に向けられるに従って,電極の先端部はますます長くなっていき,先端直径は細いかも知れないが,電極抵抗は高く,曲がりやすくて,標的細胞が組織内の深い所にある場合など非常に使いにくい。さらに,このように高抵抗の電極は,電流を流すことが困難で,とくにプロシオン・イエローで細胞内染色をする場合のように,大電流を必要とするときは決定的な欠点をもつことになる。このような場合,電極の先端を斜めに研磨すると電極の刺入が著しく効率がよくなり,電極の特性がよくなることから,一部では愛用されている1〜3)。しかし,先端部が20mmにもなったものでは,たとえ先端を斜角研磨しても,前に述べた欠点はとうてい補うことはできない。冷却装置のついた電極作製器というのは,これらの欠点を補うために開発されたものである。
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