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文献詳細

雑誌文献

生体の科学30巻2号

1979年04月発行

文献概要

特集 神経伝達物質の同定 総説

グルタミン酸と興奮性伝達物質

著者: 篠崎温彦1

所属機関: 1東京都臨床医学総合研究所内

ページ範囲:P.82 - P.91

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 神経伝達物質あるいはその候補物質は,アミノ酸だけに限っても数多くあり,γ-アミノ酪酸(GABA),グリシン,グルタミン酸,アスパラギン酸,プロリン,タウリンなどをあげることができる。これらのアミノ酸を神経伝達物質として認めるか否かは,研究者により考え方に違いがあるように思える。GABAは甲殻類の神経筋接合部で抑制性伝達物質であることが確定し1),その後哺乳類中枢神経系の抑制性シナプスにおいても伝達物質として認められるようになった2,3)。脊髄においてグリシンのシナプス後膜に対する作用は伝達物質としての条件をかなりよく満足するものであるので,しばしば確立された伝達物質のように取り扱われることがあるが4,5),必ずしも伝達物質同定基準を十分に満足するものではないことも示されている6)
 上記候補物質のうちglutamate以下の物質については,"伝達物質に似た効果を示すからといってただちにその物質を伝達物質と決めることはできない"7)というのが現状であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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