icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学30巻2号

1979年04月発行

文献概要

話題

制限酵素の予言,発見,応用—1978年度ノーベル医学・生理学賞

著者: 藤田道也1

所属機関: 1浜松医科大学生化学教室

ページ範囲:P.158 - P.160

文献購入ページに移動
 1978年度のノーベル医学・生理学賞は"部位特異制限酵素"(site-specific restriction enzyme)の予言,発見,応用のArber,Smith,Nathansの3人に贈られた。ここでは3人の仕事の内容を紹介し,また実験室における彼らの研究のあり方を眺めてみたいと思う。彼らの仕事は分子生物学であるが,NahtansもSmithもインターンやレジデントまでやった医師研究者である。
 部位特異制限酵素(以下とくに断わらない限り単に制限酵素と呼ぶ)は簡単にいえば外来性の二重鎖DNA(デュープレクスDNA)を特異な部位で切断する酵素である。もしこの酵素がないと生体はたちまち異種生物の遺伝物質によって攪乱されてしまう。ではなぜ宿主のDNAは分解されないのか。それは宿主のDNAが別の酵素である"修飾酵素"(modification enzyme)によって修飾されているからである(多くの場合特定のアデニン塩基がメチル化されている)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?