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ロンドン大学生物物理学教室
著者: 高橋智幸12
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部薬理学教室 2現在:ロンドン大学生物物理学教室
ページ範囲:P.229 - P.231
文献購入ページに移動 Euston squareで地下鉄を降りて,Gower streetを南に向って歩くと,すぐ右手に古めかしい赤レンガ作りのUniversity College Hospitalが目に入る。ここは1846年にListonによって,ヨーロッパで初めて,エーテル麻酔による手術が行われた病院で,当時のUniversity College医学生として,ここに居合せたListerは,後に石炭酸による消毒を導入して,多くの命を敗血症から救うことになる。University College Hospitalの入口を背にして立つと,Gower Streetをへだてた向う側に,University College Londonの正面玄関が見わたせる。昨年150年祭を迎えたこの大学は,もっぱら上流階級の子弟を集めていたOxford,Cambridgeに対して,広く多階層から人を集めて発展してきた。イギリスで,最初に女性に学位を与え,戦時中にはナチに追われたユダヤ系の学者達を迎え入れた。現在もキャンパスには,さまざまな人種の学生やスタッフが見られ,この大学の多様性は,その後もひきつがれているように思われる。
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