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特集 In vitro運動系 総説
細胞構造の解体と運動現象—特集「In vitro運動系」によせて
著者: 神谷宣郎1
所属機関: 1基礎生物学研究所細胞生物学研究系
ページ範囲:P.314 - P.316
文献購入ページに移動 多くの生理機能は細胞の解体と共に失われるが,運動機能の場合には事情がやや異る。なぜなら,運動は細胞をいろいろな方法で解体した系や,細胞の構成要素を再集合させた系においても,なんらかの形で再現できる場合が少くないからである。運動機能の研究に,生きた完全な運動系を用いることはもちろんそれなりの意義をもっているが,一方では,in vitro運動系の作成が運動の分子構築を理解する効果的な手段として近年著しく注目されるようになった。
本来in vitroという言葉は生体の一部が生体外に摘出遊離されている状態を指しているが,動物個体から体外に摘出した筋の収縮や,体外で培養した動物組織細胞の運動などは,本特集が意図するin vitroの運動には含まれないものと考える。ここでは生体という字句を細胞と読み替え,in vitroの運動を,完全な細胞より低次の系,または細胞の構成要素を再集合した系に起る運動という意味に解してよいであろう。
本来in vitroという言葉は生体の一部が生体外に摘出遊離されている状態を指しているが,動物個体から体外に摘出した筋の収縮や,体外で培養した動物組織細胞の運動などは,本特集が意図するin vitroの運動には含まれないものと考える。ここでは生体という字句を細胞と読み替え,in vitroの運動を,完全な細胞より低次の系,または細胞の構成要素を再集合した系に起る運動という意味に解してよいであろう。
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