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文献詳細

雑誌文献

生体の科学30巻5号

1979年10月発行

文献概要

特集 In vitro運動系 総説

アクチン線維束の遊泳

著者: 藤目杉江1

所属機関: 1名古屋大学理学部分子生物学研究施設

ページ範囲:P.341 - P.345

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 序
 筋収縮を伴うタンパクはアクチンとミオシンである。近年,非筋肉組織,細胞からつぎつぎにアクチン,ミオシンが単離されるに及んで,アメーバ運動,原形質流動,細胞分裂,食作用等々,ただ筋収縮のみでなく,広く生体運動はアクチン・ミオシンの二種タンパクで担われていることが示された。
 横紋筋において,アクチン・ミオシン両線維間の相互作用による滑りが収縮であるという「滑り説」は広く受け入れられている。両線維間にかかったアクチン・ミオシン架橋が,分子のレベルでどのように動き,如何にして力を発生するか,横紋筋のX線回折などの手段で研究が進められている。細胞運動,たとえば原形質流動の機構が,筋収縮と同じ「滑り説」またはその修正した考えで理解できるだろうか。研究を進める一つの手段として試験管内で原形質流動を再現することを試みた。既知の環境条件,あるいは限定された条件下で,アクチン・ミオシン系がどのような運動を示すか,運動を調節する条件は何かを知れば,原形質流動の機構,ひいては,分子のレベルでの作用機作を理解するための一助となるであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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