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ペプタイドホルモン生合成の分子生物学
著者: 矢内原昇1
所属機関: 1静岡薬科大学薬学部生物薬品化学教室
ページ範囲:P.360 - P.369
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タンパク質を構成するポリペプタイド鎖は,細胞核DNAの遺伝情報に基づくmRNAのトリヌクレオチドコードンの翻訳機構によりアミノ末端からカルボキシ末端へと1個ずつアミノ酸が結合し,直鎖のポリペプタイド鎖が延長されて形成されることが知られている。
1965年以来,インスリンの生合成に関する知見として,膵B細胞のミクロゾーム分画にはインスリン抗血清で沈殿するタンパク質が生合成される1)こと,また,そのインスリン生合成はリボゾームでのタンパク生合成を阻害するピューロマイシン2)またはcycloheximide3)で阻害されることが明らかにされ,インスリンはタンパク生合成機構により生合成されることが示唆されるにいたった。さらに構造決定された種々の脊椎動物のインスリンの一次構造にみられる二,三のアミノ酸残基の置換は遺伝子のトリヌクレオチドコードンからもその妥当性が推定された4)。
タンパク質を構成するポリペプタイド鎖は,細胞核DNAの遺伝情報に基づくmRNAのトリヌクレオチドコードンの翻訳機構によりアミノ末端からカルボキシ末端へと1個ずつアミノ酸が結合し,直鎖のポリペプタイド鎖が延長されて形成されることが知られている。
1965年以来,インスリンの生合成に関する知見として,膵B細胞のミクロゾーム分画にはインスリン抗血清で沈殿するタンパク質が生合成される1)こと,また,そのインスリン生合成はリボゾームでのタンパク生合成を阻害するピューロマイシン2)またはcycloheximide3)で阻害されることが明らかにされ,インスリンはタンパク生合成機構により生合成されることが示唆されるにいたった。さらに構造決定された種々の脊椎動物のインスリンの一次構造にみられる二,三のアミノ酸残基の置換は遺伝子のトリヌクレオチドコードンからもその妥当性が推定された4)。
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