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文献詳細

雑誌文献

生体の科学30巻5号

1979年10月発行

文献概要

解説

ペプタイドホルモン生合成の分子生物学

著者: 矢内原昇1

所属機関: 1静岡薬科大学薬学部生物薬品化学教室

ページ範囲:P.360 - P.369

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 はじめに
 タンパク質を構成するポリペプタイド鎖は,細胞核DNAの遺伝情報に基づくmRNAのトリヌクレオチドコードンの翻訳機構によりアミノ末端からカルボキシ末端へと1個ずつアミノ酸が結合し,直鎖のポリペプタイド鎖が延長されて形成されることが知られている。
 1965年以来,インスリンの生合成に関する知見として,膵B細胞のミクロゾーム分画にはインスリン抗血清で沈殿するタンパク質が生合成される1)こと,また,そのインスリン生合成はリボゾームでのタンパク生合成を阻害するピューロマイシン2)またはcycloheximide3)で阻害されることが明らかにされ,インスリンはタンパク生合成機構により生合成されることが示唆されるにいたった。さらに構造決定された種々の脊椎動物のインスリンの一次構造にみられる二,三のアミノ酸残基の置換は遺伝子のトリヌクレオチドコードンからもその妥当性が推定された4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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