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私は昨秋,約3週間に亘って針麻原理に関する学術交流を目的として中国を初めて訪問したが(本誌30(3):223-228,1979),はからずも帰国後半年経つか経たない,本年5月30日より6月13日まで2週間,再度訪中の機会に恵まれた。ここで「はからずも」といったのは,中国再訪の予感がなきにしもあらずであったが,ただこのように早くそれが実現するとは思わなかったからである。というのは昨秋訪中の際,延べ10日間滞在した北京を去るにあたり,11月2日夜,中国衛生部黄樹則副部長を初め,われわれの訪中に尽力された主な方々を招いて北京烤鴨店で答礼宴を開いた。このとき私が団長として黄副部長につぎのような希望を述べた。「針灸と針麻とは中国が生みの国であり,かつ,その技術を4000年も保持し発展させて来たところのものであり,中国が世界に誇る医療技術である。しかし,世界各国の研究者の努力にもかかわらず,その科学的原理は現在のところ十分明らかになっていない。私は貴国が音頭をとって針灸針麻原理開明のために国際的学術大会を開かれるよう切望したい。」これに対し意外にも黄副部長は「実はそのような計画はすでにもっている。」との即答であった。そのあと某団員が「開くとすれば何時頃を予定しているのか。」と訊ねたら「早ければ来年(つまり今年1979年のこと)にでも……」との返事であった。
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