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文献詳細

雑誌文献

生体の科学30巻6号

1979年12月発行

文献概要

特集 細胞間コミニケーション 総説

Ionotropic伝達とmetabotropic伝達

著者: 山本長三郎1

所属機関: 1金沢大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.416 - P.421

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 最近シナプス伝達物質の働きをionotropicとmetabotropicに二大別することが提唱された1,2)。古典的なシナプスで知られているように,伝達物質が受容体に働いて膜のイオン透過性を直接高め,そのために膜電位の変化が起る場合に,これをionotropicという。一方,伝達物質が受容体に働くと,cyclic AMP(cAMP)合成のような化学反応が起り,その結果としてシナプス伝達が進む場合,これをmetabotropicと呼ぼうというのである。Ionotropicな伝達の特徴としてつぎの点が挙げられる。
 ① 潜時が短い。
 ② イオンチャネルが開く結果として,後シナプス膜のコンダクタンスが増大する。
 ③ 膜電位の変化の大きさを決めるのは,開いたチャネルを通り得るイオンの平衡電位,およびコンダクタンスの変化分である。
 ④ 電位変化の持続時間は伝達物質の作用時間よりもわずかに長いだけである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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