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特集 細胞間コミニケーション 総説
細胞間コミニケーションにおけるホルモンリセプターの役割:ホルモン不応症との関連
著者: 山下亀次郎1
所属機関: 1筑波大学臨床医学系代謝内分泌科
ページ範囲:P.429 - P.435
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細胞から細胞への情報伝達のうち現在まで多くの研究がなされ,生理的にも重要な意味をもつものとして内分泌系と神経系とがある。内分泌系は一般に情報を出す細胞とこれを感受する細胞とが遠く離れており,その伝達物質としてのホルモンは血行を介して到達する。この系での情報伝達の発現は神経系と比較するとながい時間を要する調節機構である。一般に 視床下部—(向下垂体ホルモン)—下垂体—(下垂体ホルモン)—各内分泌腺—(ホルモン)—標的細胞の経路をとる。一方,神経系では情報を発する神経末端とこれを受け取るつぎの神経細胞あるいは標的細胞とはシナプス間隙(数百Å程度)で接しており,情報伝達はきわめて速く伝わる機構になっている。このような場合の刺激伝達物質としてアセチルコリン,ノルアドレナリン,ドパミン,セロトニン,ヒスタミン,アデノシン,β-エンドルフィン,ATPなどが知られている。
ここではペプチドホルモン,カテコールアミン,アセチルコリン,ステロイドホルモンの受容体について概説し,とくに前二者の情報伝達に重要な働きをしているcyclic AMP系およびCaイオンについて述べる。さらにホルモンリセプターと関連して現在多くの知見が得られてきているホルモン不応症について概説する。
細胞から細胞への情報伝達のうち現在まで多くの研究がなされ,生理的にも重要な意味をもつものとして内分泌系と神経系とがある。内分泌系は一般に情報を出す細胞とこれを感受する細胞とが遠く離れており,その伝達物質としてのホルモンは血行を介して到達する。この系での情報伝達の発現は神経系と比較するとながい時間を要する調節機構である。一般に 視床下部—(向下垂体ホルモン)—下垂体—(下垂体ホルモン)—各内分泌腺—(ホルモン)—標的細胞の経路をとる。一方,神経系では情報を発する神経末端とこれを受け取るつぎの神経細胞あるいは標的細胞とはシナプス間隙(数百Å程度)で接しており,情報伝達はきわめて速く伝わる機構になっている。このような場合の刺激伝達物質としてアセチルコリン,ノルアドレナリン,ドパミン,セロトニン,ヒスタミン,アデノシン,β-エンドルフィン,ATPなどが知られている。
ここではペプチドホルモン,カテコールアミン,アセチルコリン,ステロイドホルモンの受容体について概説し,とくに前二者の情報伝達に重要な働きをしているcyclic AMP系およびCaイオンについて述べる。さらにホルモンリセプターと関連して現在多くの知見が得られてきているホルモン不応症について概説する。
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