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文献詳細

雑誌文献

生体の科学31巻1号

1980年02月発行

文献概要

実験講座

ゴルジ装置の分離とその細分画

著者: 日野幸伸1

所属機関: 1九州大学医学部生化学教室

ページ範囲:P.72 - P.80

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 はじめに
 ゴルジ装置はおそらくすべての有核細胞に存在し,他にない複雑で独特な外観を呈する細胞内小器官である。
 ゴルジ装置は図1のように模式的に描くことができる1)。中央にはプレート様構造が位置し,その周辺には綱目状に織り重なった小管によるネットワーク(tubular network)がとりまいている。プレート様構造の領域はcisternaeあるいはflattened sacと呼ばれており,超薄切片像において,末端部分が膨らんだ平滑な扁平嚢として観察される。数枚の桶平嚢が平行に並び重なって図に示すような層板状を呈している。ネットワークを構成する小管は超薄切片像において,扁平嚢の周辺に散在する小円形状のゴルジ小胞(Golgi vesicle)として観察される。cisternaeはimmature face(forming face,convex face,cis faceとも称される:図では上のcisternae)からmature face(secretory face,concave face,trans faceとも称される)に向けて成長する。mature face側のネットワークを構成する小管の末端からはゴルジ空胞(Golgi vacuole)が形成され,分泌されるべき物質がここに選択的に濃縮されるため,超薄切片像ではVLDLを含む比較的大きな構造として観察される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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