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文献詳細

雑誌文献

生体の科学31巻2号

1980年04月発行

文献概要

特集 免疫系の情報識別

特集「免疫系の情報識別」によせて—外なる自己について

著者: 多田富雄1

所属機関: 1東京大学医学部血清学

ページ範囲:P.106 - P.107

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 免疫系の最も基本的な機能は,いうまでもなく「自他の識別」である。この識別に続いて起る一連の生体反応が免疫応答である。では生体にとって「自」とは何か,「他」とは何か,そして「識別」とは何かと逆向きに問い直してみると,私たちは白紙に向って何ひとつ正確に答えることができないことにがく然とするものである。
 個体が個性を持った個体であり得るためには,まず「他」から「自」を区別する必要がある。そのためには,「他」の特徴を正確に知ると同時に,「自己」の最も特徴あるものと対応させ,比べあわせる,照合の作業がなければならない。とすれば,「他」を知るためには,「自己」に関するすべての情報がファイルされ,つねにreferされる条件が必要であろう。もし「他」が,きわめて「自己」に似かよっている場合の方が,照合はよりたんねんに行なわれなければならないだろうし,「はるかに」異なったものとの照合に比べて,より詳細な「自己」についての情報が必要になるであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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