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文献概要
特集 免疫系の情報識別 総説
個体識別の自然史
著者: 村松繁1
所属機関: 1京都大学理学部動物学教室
ページ範囲:P.108 - P.114
文献購入ページに移動 はじめに,次の二点についておことわりしておきたい。
① ここでいう"個体識別"とは,生物の個体間における生態学的—行動学的な相互認知を意味しているのではない。たとえば,動物が群集をつくったり,配偶者を見つけたり,いっぽう寄生者が巧妙に宿主を選んだりするような活動は,個体識別の自然史という表題にぴったりとあてはまる興味深い現象であろう。しかし,この号は"免疫系の情報識別"の特集であるので,免疫現象に直接あるいはその延長線上で関係がありそうな細胞による自己と非自己の識別ということに話題をしぼりたい。
① ここでいう"個体識別"とは,生物の個体間における生態学的—行動学的な相互認知を意味しているのではない。たとえば,動物が群集をつくったり,配偶者を見つけたり,いっぽう寄生者が巧妙に宿主を選んだりするような活動は,個体識別の自然史という表題にぴったりとあてはまる興味深い現象であろう。しかし,この号は"免疫系の情報識別"の特集であるので,免疫現象に直接あるいはその延長線上で関係がありそうな細胞による自己と非自己の識別ということに話題をしぼりたい。
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