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文献概要
コミニケーション
D. M. MacKay教授の「脳と意識経験」に対するコメント,他
著者: 南雲仁一1
所属機関: 1東京大・計数工学
ページ範囲:P.174 - P.178
文献購入ページに移動 まずはじめに,講演のあらましを紹介する。I see. とかI believe. などの意識経験(conscious experience)があると,それに対応して脳の状態になんらかの変化を生じると考えるのは,無理のないところであろう。以下の話は,「おのれの物語(I-story)には必ず脳の物語(brain story)が対応する」という前提のもとに展開される。
講演は三つの部分から成る。その第1部は,意識経験によって脳のメカニズムを知ろうと試みる場合に,通常の経験を研究してもあまり役に立たないという主張である。われわれが理解しようとするシステムについて,興味深い異常な状況を引き起こす特殊な入力を見出すことが重要で,たとえば錯視的な意識経験がそれである。講演者自身が発見したいくつかの錯視の例を示して,このような異常な意識経験を契機として対応する脳内のメカニズムを研究することにより,脳の働ぎが少しずつわかるようになるという。
講演は三つの部分から成る。その第1部は,意識経験によって脳のメカニズムを知ろうと試みる場合に,通常の経験を研究してもあまり役に立たないという主張である。われわれが理解しようとするシステムについて,興味深い異常な状況を引き起こす特殊な入力を見出すことが重要で,たとえば錯視的な意識経験がそれである。講演者自身が発見したいくつかの錯視の例を示して,このような異常な意識経験を契機として対応する脳内のメカニズムを研究することにより,脳の働ぎが少しずつわかるようになるという。
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