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文献概要
特集 赤血球膜の分子構築 総説
赤血球膜の形態変化と化学修飾
著者: 佐藤真悟1 中尾真1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第1生化学教室
ページ範囲:P.182 - P.187
文献購入ページに移動 生体膜は脂質2重層の蛋白分子の埋め込まれたものと考えられている。この蛋白分子は脂質2重層の中でどのように存在しているのであろうか。近年,赤血球膜に存在する主要蛋白はかなり単離され研究されている1)。
しかし,膜蛋白を単離するには,一部はカオトロピックアニオンなどを用いて水に溶かすことはできるが,残りは界面活性剤を用いる必要がある。その間に膜蛋白は変化するかもしれないし,たとえ変化しなくてもintactな膜でどのように存在していたかは明らかでない。そのような問題に答えるべく種々の二価試薬が新しく合成され,用いられた。われわれは二価試薬を用いた研究の発展と,その結果として浮かびあがってきた赤血球膜内の水平方向への成分の分布を述べたい。膜成分の垂直方向への不均等分布については,太田の総説に詳しく書かれているので参照されたい2)。
しかし,膜蛋白を単離するには,一部はカオトロピックアニオンなどを用いて水に溶かすことはできるが,残りは界面活性剤を用いる必要がある。その間に膜蛋白は変化するかもしれないし,たとえ変化しなくてもintactな膜でどのように存在していたかは明らかでない。そのような問題に答えるべく種々の二価試薬が新しく合成され,用いられた。われわれは二価試薬を用いた研究の発展と,その結果として浮かびあがってきた赤血球膜内の水平方向への成分の分布を述べたい。膜成分の垂直方向への不均等分布については,太田の総説に詳しく書かれているので参照されたい2)。
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