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特集 赤血球膜の分子構築 総説
赤血球膜の超微形態
著者: 月田早智子1 石川春律1
所属機関: 1東京大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.188 - P.197
文献購入ページに移動赤血球は,ヘモグロビンによる酸素運搬という重要な役割を担っている。とくに,哺乳類の赤血球は,核や糸粒体などの細胞内オルガネラを欠き,大量のヘモグロビンを入れた袋という単純な形態をとる。この細胞は,酸素運搬という機能を最大限に発揮できるよう特殊に分化した細胞であり,その表面膜,すなわち形質膜も特殊化した膜であるはずである。生体膜研究にこの膜が有利であるのは,ヘモグロビンを溶血によって除くだけで,純粋な形質膜が容易かつ大量に,しかも断片化せず,ゴースト(ghost)の形で調整できることによる(図1)。
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