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文献詳細

雑誌文献

生体の科学31巻5号

1980年10月発行

文献概要

特集 カルシウムイオン受容タンパク 総説

フラグミン—Ca2+感受性をもつアクチン線維形成の調節因子

著者: 長谷川孝幸1 秦野節司2

所属機関: 1国立武蔵療養所神経センター 2名古屋大学理学部分子生物学研究施設

ページ範囲:P.389 - P.394

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 非筋細胞にもアクチンが含まれており,共存するミオシンと共にアメーバ運動,原形質流動などの細胞運動を担っていると考えられるが,その存在様式は骨格筋の場合と著しく異なっている。非筋細胞ではアクチン線維は多くの場合束状の構造(粘菌の複屈折性線維や培養細胞のストレスファイバー等)を形成しているが,これらの構造が長期間安定な状態で存在することは稀で,むしろ形成と消滅がくり返されている場合の方が多い。また非筋細胞には立派なアクチン線維以外に,低重合状態のアクチンが多量に存在していることが知られている1〜3)。低重合状態のアクチンはほとんどの場合精製すると立派に重合するようになる4,5)。このことは非筋細胞中にアクチン線維形成の調節因子が存在することを示唆している。ここに紹介するフラグミンはアクチン線維形成を調節する働きをもち,かつその働きがCa2+によって調節されるたん白質である6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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